中国からの個人観光ビザ解禁とラオックス再建
いよいよ中国からの訪日個人観光ビザが7月1日に解禁される。それにあわせて国内外の動きも活発になってきているように思える。
今日6月24日の記事による家電量販店ラオックスに対する中国の家電量販店の蘇寧電器集団の出資がそれにあたると思われる。8億円、27%出資し筆頭株主となるとあり、同時に国内の日本観光免税も7億円の出資をする。
ラオックスにとって、経営再建のキーファクターを何にするのかは非常に重要であり、世の中の変化に伴う構造的な問題である従来の家電販売では再建の道のりもおぼつかないのだろう。
今回の件でラオックスは中国人向け家電免税店という立ち位置となり、絶妙なタイミングだと感じる。現に「今夏に秋葉原店舗を免税販売等外国人向け物販・サービス業に業態転換意向」(四季報)とあったので、水面下で動いていたのだろう。
今までは百貨店に中国人が大挙して押し寄せて高級品を買いあさるという記事もよく見かけたが、会話や決済手段(カード)が問題となっていたと思う。また、中国ではどこでも値切るのは当たり前(日本も百貨店はともかく、秋葉原も値切りは当たり前だが)だったりするので、そういう商習慣の違いも含めてこれらの問題を解決し、中国人に気持ちよく買い物をしてもらうことは相互にとって良いことであり、日本にとっては大きなビジネスチャンスになると思う。なんと言っても日本のお金持ちよりもずっとお金持ちが多い国なので、周り巡って日本国内の内需拡大に繋がるように思う。
ところで、ラオックスと蘇寧電器集団のホームページを見ると正式プレスリリースしておらず、日経のリークらしいが、情報の真偽はあるものの、これだけの情報が外部に漏れているのは別な意味で問題だと感じる。上場企業であり、コンプライアンスはどうなっているのかと心配になった。
そう考えているうちにある意図を感じたので、まとめてみた。
経営再建中のラオックスとしては、春先のノジマとの破談もあるので、何としても今回の出資を受け入れて資本提携する必要があると思われるが、再建中という相手の足下を見た交渉の場合は相手先(出資元)の要望もきついはずで、お互いの条件交渉が折り合いが付かないということはあり得るだろう。
経済合理的な側面から見ても、お互い最終着地するメリットもあり、リークによって(破談しないよう)牽制しているようにも思える。今日のニュースを受けて日経平均が下がっている中、今日の株価はストップ高を付けているので、株主は歓迎ということなのだろう。
ただ、これによって、8億円で27%シェアは難しく、時価総額から計算すると18億円は必要で、増資によってシェアが薄まることを考えるともっと増資資金は必要になると思われる。ラオックスのホームページではまだ正式合意していないとあるので、増資の株価が焦点になるように思う。(蘇寧電器集団のホームページにはリリースなどの見解なし。)実際のところ、ラオックスは10年3月期は経常損失を17億3000万円(※四季報)と見込んでいるため、資金はもう少し欲しいところだと感じる。
あと、他の記事によると「ラオックスの販売ノウハウを中国に活かす」とあるが、蘇寧電器集団の業績はラオックスを遙かに上回っており、本当に必要なのかと疑問を感じる。これは中国を過小評価することで、(中国を嫌悪、危険視する人が多いため)懐柔を図る日本人向け発言としか思えない。また違う意図があると感じざるを得ない。
●蘇寧電器集団の業績については下記のリンク先を参照 ※1元(RMB)=約14円
http://www.reuters.com/finance/stocks/incomeStatement?symbol=002024.SZ
何れにしても今回の再編によって社員、取引先、株主、経営陣が何れも良い選択となり、良い方向に向かってもらえれば幸いである。
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