■失敗しなければ成功?
前回コラムで開発プロジェクト中に起こるクライアントのビジネス変革により、システムのミスマッチが発生するというジレンマのお話しをしました。今回はあるソフトウェア企業の社長の実話。
ベンチャーキャピタルから事業資金をかき集め、3年かけてソフトウェアを開発し、さあ、売り出すぞと思った矢先に商法改正でシステムの機能が適さなくなり、更なる追加投資と開発が必要となって困った。という笑えないお話しを聞きました。ソフトウェアそのものはバグもなく評価が高かったそうです。開発は成功でしたが、事業としては失敗だったのでしょうか。商法改正という流れを見落とした時点では失敗だったのかもしれませんが、その後に1年かけてシステム機能を追加し、今では上場企業100社以上に導入されるなど、すばらしいシステムという評価点をもらっているそうです。失敗のままで終わらせなかったので、最終的には成功に結びついています。
今回のコラムでは、この企業の社長の見られるような失敗を活かす方法に視点を置いてみたいと思います。
以上をまとめると
●失敗の法則 その5
「失敗を改善すれば成功する」
■失敗を振り返る
読者をはじめ、私たちも行っている開発業務。誰しも最初から失敗することを目指すのではなく、成功するべくバグの発生を抑えたり、要求仕様通りの開発を進めていると思います。それでも悲しいことにバグは発生し、仕様理解度の違いによりシステム処理結果が違うということが多々おこっています。業界の至るところでこのような悲劇が繰り返されています。
この問題は相当に深刻で、昨年の株式公開企業の決算発表コメントは、先の要因で経営数字が悪化したと公表されています。雑誌にもこの問題は度々取り上げられておりましたので、みなさんの中にも記事を目にされた方もいるかと思います。大手企業ですらこの状態ですので、中小の開発企業も例外なく業績悪化が見受けられました。経営という私の仕事がら、信用調査会社や銀行の方とはお付き合いがありますが、その方々いわく、建設会社の倒産よりも開発会社の倒産の方が昨年は多かったそうです。会社倒産は失敗の最たるものです。創業から3年で100社中10社も残らない現実を見ると失敗の確率の方が大きく、リスクもありますが、昨今ではM&A(合併)なども盛んに行われていますので、失敗しつつ成長しているとも言えるかもしれません。その中から未来の松下やソニーのような会社が成長していくのでしょう。それにしても、バグや仕様違いが原因で倒産した会社は開発した努力が報われませんね。
このようなバグによる悲劇を繰り返さないためには、エンジニアひとりひとりの意識の向上と開発した当事者によるバグプログラムの検証と修正、開発したプログラムの見直し徹底につきるのではないかと思います。ぜひみなさんも自分が開発したプログラムを見直し、運用保守を自ら進んで行い、バグという失敗、運用しづらいシステムの研究をして改善を心がけてみて下さい。そうすることで失敗を防ぎ、成功へと近づけると思います。
そして、私たちの自省と共に、クライアントである取引先の啓蒙も私たち業界人の努めだと私は思います。業界特有の下請け構造のせいか、はっきりと提案する、至言するという人(会社)がなかなか見受けられないように思います。失敗から目を遠ざけるのではなく、クライアントと共にどこに原因があったのかを探求すること、振り返ることにより、今後の改善に繋げて行って欲しいと切に思います。また、何よりもクライアントを良く導き、そうならないよう事前の策をとることが最上の策であることは言うまでもありません。
あたり前のことではありますが、あたり前に行えるよう日々反省し是正すること。失敗を繰り返さないためにも失敗の原因を明らかにし、振り返ることで次は失敗しないように心がけたいものです。
以上をまとめると
●失敗の法則 その6
「反省しないから失敗は繰り返す」
■プロジェクト管理のあれこれ
みなさんはバグの定義をどのようにお客様に伝えていますか?
1.システムの欠陥によるもの(システムのバグ)
開発時におけるプログラムミスなどのケアレスミスによるもの。
いわゆる動かない、導き出す値がエラー等、まったく違うというものが該当します。
2.お互いの認識の違いによるもの(バグではなく仕様違い=納品対象)
開発におけるプログラムミスがなくシステム上は動作するが、処理された結果が予想していた結果と違うもの。そのアウトプットされる結果が業務上不都合のあるもの。詳細設計(こまかな仕様確認)の確認時に、そのシステム動作後の細かな確認、詰めの作業ができていない場合に多く見受けられます。(お互いの暗黙の了解や分かってもらっていたつもりなど)
次回は、「ビジネス + ビジネス = ヒューマンスキル?」と題し、
・ソリューションビジネスの表と裏
・最近取りざたされるコミュニケーションスキル
・会社と個人、今後の業界展望
をテーマに展開してゆきたいと思います。ネット上で公開されるコラムですので、みなさんの意見も交え、インタラクティブに進めたいと思います。
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