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2007/09/20 (10:22 pm)
起業の種類は大きくは3種類に分けられると思います。 1.世の中にある既存のビジネスを事業として行うこと リスクは少ないけど事業としての確実性は高い。不確定要素も少ない。参考になるものがある分、参入しやすく競合も激しいため利益は薄い。分かりやすいところだと、フランチャイズや弁当屋さんなどの起業。 2.世の中にある既存事業に工夫を加えて事業を行うこと 日本人の得意とするところ? 工夫しただけで勝てるほど甘くはないが、ネットビジネスなどはその最たるもの。オールドエコノミーにインターネットを加えてネットビジネスにするというだけで持て囃された時代がネットバブルの頃だったと思う。幻想な時代だったけど、それで上場して成長した会社も沢山ありました。類似品やサービスを値段下げて参入するのも同じ。 3.世の中にない新しい価値を創り出すこと まったく新しいイノベーティブな仕事で新しい価値を生み出す仕事。面白く成長性もあるけどリスクが高い。不確定要素も高いため、変化に対応した経営とリスクが顕在化した時への対応策が大事。 ●リスクとは? リスクの考え方。 顕在化しているもの。 潜在化しているが認識できているもの。 まったくの想定外のもの。 |
2007/09/20 (10:05 pm)
飲みの席での問答 ●仕事とは? 自己表現の手段 自分を仕事を通じて表現するということ 芸術家で例えればアート(作品)での表現 ●経営とは? 社員、顧客、株主の期待に応えること 利害が違うそれぞれのバランスをとること 利害の違いとは、最終目標は同じだけど、そこに到達するまでの 優先順位の違い、時間軸の違い ●優先順位とは? 手段の違い 地に足をつけるということ できる所から着手するということ それによって一歩でも近づくということ ●時間軸とは? 我慢できるかどうか そこに辿り着くまで待てるかどうか ●急がば回れ? ウサギではなくカメさん? 簡単に得られるものはすぐに失う 時間をかければ長続きする 仕組みを定着させることが重要であり、時間をかけないと定着はしない 仕組みをつくることは重要だけど、それを定着化、あたりまえにすることが大変 これらのバランスが大事 |
2007/08/14 (10:09 pm)
2007/07/26のブログで書いたRuby on Rails 勉強会の資料を講師の増井さんがwebに公開しましたのでお知らせします。 http://www.slideshare.net/masuidrive 増井さんのブログ http://blog.masuidrive.jp/ 増井さんから公開して良いかという質問があったので、即答でYesです。一人でも多くの方に技術が広がると良いですね。それにしても説明資料も「センスあり」です。 話は変わりますが。ついでに技術トレンドの話。 前の公開資料にキラーアプリケーションが無かったので普及が遅いというコメントを読んで、そうなんだよなぁ。と思って、ついでに下記の思い出話。 2,3年くらい前の札幌で開催されたオープンソースカァンファレンスの帰りにRubyのまつもとさんと話す機会があって、「Rubyの言語はすばらしいのにキラーアプリケーションが無いことがphpと比較して言語の普及が遅れている理由じゃないですか」と話したことがあります。 当時のまつもとさんの答えはアプリケーションには興味がないということでした。さすが!と思いましたが、その時に「どれでも良いのですが、まつもとさんがこのアプリケーションが良いと言うと広まりますよ」と話したことがあります。 あれから月日がたって、Rubyに注目が集まっている昨今ですが、Railsが出てから一気に普及したという感じがします。アプリケーションではなく、開発フレームワークという所がブレークポイントとなりましたが、簡単・便利というポイントはやはり重要な要素のようです。RoRは技術要素からの普及というのが今後の技術トレンドを占う上で重要なポイントと感じています。 ワイズノットでは創業の2000年からphpを主体に開発を進めて来ましたが、当時のその選択理由は簡単な言語だからとOSS(オープンソースソフトウエア)が沢山あったからの2点につきます。当時はphpをやっている人があまりいませんでしたが、あたりまえの時代になったなぁと感じます。phpのエンコーダーをzend社から2001年春に購入していましたが、当時はzendから見ても珍しかったらしいです。技術要素もそうですが、端から見るとなんで?という時代だったと思います。 phpもオブジェクト化が進み、難しい言語になりつつありますが、こうなってくるとphpの良さがだんだんとなくなって来ると感じています。オブジェクト言語だと古くからJavaがありますし、Rubyもそうです。この土俵で言語比較すると圧倒的にRoRだと思うので、勝負ありという感じがします。これからRoRで出来たOSSもどんどん増えてゆくことでしょう。非常に楽しみです。 余談。 開発するものにあわせて言語もデータベースも使い分ければ良いと思いますが、これから新米エンジニアが勉強するには(習得するまでに時間がかかるという点で)敷居が高くなりそうです。 今でもオープンソースのソースまで関わっているエンジニアは非常に少なく、(その育成の一助になればと思って仕事をしていますが)技術の進歩も早いので追いつくのだけでも大変で、なかなか若い世代がその域に達しないためか、オープンソースコミュニティの平均年齢は毎年1歳年を取るという構造はなかなか変わらないようです。何かしら良い方法はないものでしょうか。。 |
2007/08/10 (12:54 am)
してはいけいないビジネス 1.リスクコントロールできないもの 分かりやすく言うと、他者に依存するビジネス(もの)。経営者の重要な仕事のひとつにリスクマネジメントがありますが、自らの手を離れて他者に依存するビジネスはリスク管理が出来ませんので、敬遠するビジネスとして捉えています。 2.政治がらみのもの 優秀な経営者が事業を大きくしていく上で、政治に近づき、政治を使用しようとした瞬間に逆に使用され(派閥闘争に巻き込まれ)、失速するケースが多々あるので注意が必要だと思います。前述の1とも類似しているかもしれません。 3.法に触れるもの どんなに良いことを成し遂げても、そこに辿り着くまでの手段が良くないとダメだと思います。スポーツにもルールがあり、その中での戦いであるように、ビジネスにも法律というルール(会社法も含めて)がありますので、この中で合法的にビジネスを進める必要があります。 |
2007/07/26 (6:33 pm)
今、ワイズノットで秘かにRailsで世の中に無い面白いサービスの開発をしていますが、ワイズノットグループ内でもRailsに興味を持つ人が増えてきたので、勉強会の開催となりました。グループで350人のOSSエンジニアがいますので、社内教育で実践を積んで社外の人たちにも参加してもらえるような勉強会に出来たらいいなぁと思いました。 以下、社内報からの転載で、××は非公開のところです。 ------------------------------------------------------- 今話題のフレームワーク、Ruby on Railsの勉強会を開催します。 PHP/Javaに比べて、非常に手軽に、そして楽しくプログラムを作れる 環境として世界中から注目を集め、PHP/Javaで提供されている 多くのフレームワークに影響を与えています。 そのRuby on Railsで実際にアプリケーションを作りながら、 Ruby/Rails双方の基礎的な知識を学ぶことを目的としています。 ■勉強会開催日 ・日程・・・8/11(土) ・時間・・・13:00〜17:00(4H) ・会場・・・恵比寿本社8F ・講師・・・オープンソース総合研究所 増井 雄一郎 ■タイムスケジュール ・13:00-15:00 PHPer向けのRuby入門 ・15:00-17:00 Railsを使った自分用買い物リストアプリを作る ■対象 ワイズノットグループ社員 PHP, Perl, Javaのいずれかの言語の経験があり、 基本的なオブジェクト指向(クラス、オブジェクト、メソッドなど) 用語が理解できること Rubyの経験は問わない ■定員 用意できるPCの台数から、定員は30名となります。 ■参加申し込み方法 件名:「Ruby on Rails勉強会参加申し込み」 本文:氏名、所属 を記入の上、 XXX@wiseknot.co.jp へメールにて、8/10(金) 正午12:00までに申し込んでください。 (先着順で定員になり次第、締め切らせていただきます) ■お願い 10分で作るRailsアプリ for Windows( http://masuidrive.jp/rails/ ) に目を通しておいてください。 ■その他 本勉強会についてのお問い合わせは、 ワイズノット人事総務部 XX(事務局) までお願い致します。 XXX@wiseknot.co.jp |
2007/07/26 (6:20 pm)
NEXTWISEのアプリケーションにまた一つ無料サービスを追加しました。メール配信システムの「OneOn Light」になります。 メール配信システムはどこの会社でも使用するアプリケーションだと思いますので、ニーズは非常に高いのではないかと思います。今までは有料アプリケーションとして提供していて、沢山の企業様に活用して頂いておりましたが、思い切って無料化してみました。 広告の挿入などは全くないので、ビジネスでも活用して頂けるのではないかと思います。ぜひお試し下さい。 NEXTWISEは法人企業向けに無料で使用できるアプリケーションを沢山ご用意しています。OSSを活用したSaaS(Software as a Service)ビジネスを牽引していけたらと思います。 =================================================== NEXTWISEポータルの登録会員企業数 1800社突破を記念して、 需要の高いアプリであるメール配信システム「OneOn Light」を 会員企業に無料提供することになりました。 本日プレスリリースを配信しましたので、お知らせいたします。 ワイズノット、SaaSプラットフォーム『NEXTWISE』ポータル上で メール配信システムを完全無料化 〜登録会員企業1,800社突破記念!〜 http://www.wiseknot.co.jp/corp/press/press_070726.html |
2007/07/26 (6:09 pm)
2007/07/21 (6:53 pm)
下記はある人から頂いたメールに対する見解を書いたものです。広く理解をしてもらいたいと思い、転載します。個人的な部分、不適切と思われる記述については黒塗りしてあります。 登場人物は相談者、私、●●さん、▲▲さんの4名。 =================================================================== Subject: ●●さんの件で相談があります 社長 ▲▲さん ●●さんは、遅刻が多すぎます。 みんな朝早くから朝礼に出て、夜は遅くまで見積作成や日報に追われているのに、一人だけどうどうと遅刻をされるととても嫌な気持ちになります。 朝眠いのはみんな一緒です。 そんな人に■■のサポートを受けたくないです。 この前は■■■の席の方で寝ているのを見かけました。 社会人ってこんなもののですか? 怖いので、ずるいですが匿名ですみません。 でも、どうしても納得がいかなくて自分では直接言えないのでメールしました。 =================================================================== 嵐です。メールありがとうございます。 勤怠の改善について、目標設定をして指導をしていますが、未だに改善が されていない状況は周知の事実となっています。 既に■■も実施しており、改善の状況を見ているところです。いわゆる 執行猶予のようなもので、自主的な取り組みを見ています。 当社としては自立した社会人、ビジネスマンの育成を主眼に置き、技術 のみならず人としての成長も社員に求めています。それは社会、お客様、 そして自立した社員からも求められていることでもあります。 良識を持った人たちによる自立した会社でありたいと願っています。 皆で模範となるような行動に努めれば、下記のような行為は恥ずべき事で あると本人自ら気づき改善してゆくことだろうと思います。 この度のご意見は慎んで拝受致しますが、正しいことを正しいと言える 会社であると思います。次回はご自身の言葉で本人にも言ってあげて下さい。 それが会社の同僚としての役割でもあると思います。 言葉は言霊であり、自分の言葉に責任を持つということでもあります。 人に対して向けた言葉は自分自身に跳ね返ってきます。自信をもって 発言し、自らが模範となる取り組みに励んでもらえればと思います。 そうすると誰もが言葉に対して耳を傾けてゆくことでしょう。 引き続きお互いがんばってゆきましょう。 =================================================================== > -----Original Message----- > Subject: Re: ●●さんの件で相談があります > > ●●君だけのことではありませんが、 > 遅刻に関しては指導します。 > > しかしながら、匿名と言うのは良いことではありません。 > 私は匿名の人に傾ける耳は持っていません。 > > なぜなら、そういう行動が会社の風通しを悪くするからです。 > > 以上・▲▲ > =================================================================== 嵐です。 匿名による行為については、個人的な好き嫌いは別なことであって、会社としては匿名による申告は制度として保持しています。制度については、下記の引用を参照下さい。 事の本質を考えると、匿名による申告がなされるような行動が社内にて散見されなければ良いことであって、現場への指導不足は管理者としての責任であると私は思います。 また、匿名という行為が風通しを悪くするのではなく、報告してもらった行為に対して注意をしていない上長がいるということは、その注意すべき行為が是であるということになります。 それに物言いをするということは、なかなか難しいことであると私は考えます。 ですので、上に立つ者は良識を備えなければならないですし、厳しく部下の指導にあたるということが必要です。先に書きました通り、自らを厳しく律しているのであれば、不適切な行動に対して、真摯に指導ができると考えます。 何れにしても、指摘してもらったことの事実は別として正しいことですし、社員全員が切磋琢磨していくことが出来れば、良貨が悪貨を駆逐してゆくことは可能であると思います。(通常は「悪貨が良貨を駆逐する」と言います。) 良い影響を周りに与えてゆくという行為が真のリーダーシップであると私は考えます。 ●ホームページでの記載 http://www.wiseknot.co.jp/corp/control3.html ●コンプライアンス管理規定 http://blog.wiseknot.co.jp/××× ●内部通告制度の構築 ※社内報より転載。 コンプライアンスに抵触する行為、その他法令違反を目撃した場合に、 総務グループ管轄の「コンプライアンス相談窓口」に相談できる制度です。 匿名での通告ではありませんが、コンプライアンス管理規程通り、通告者の プライバシー保護、不利益につながる扱いの排除をお約束します。 コンプライアンス相談窓口:×××@wiseknot.co.jp |
2007/07/21 (4:59 pm)
去る7月2日のNHKニュースが報じたところによると、国は文書や表計算などいわゆるオフィスソフトウエアの調達について、国際規格に基づいたものを優先する指針 (オープンスタンダードについては本連載第3回を参照) の運用を7月から開始したという。同報道でマイクロソフトの「オフィス」の調達ができなくなるとまで踏み込んでいたのは少々誤解があったようだが、マイクロソフトの該当製品よりオープンソースのオフィスソフトウエアを優先するよう示唆した決定であるようには思う。 オープンソースを推し進めようという動きは産業界だけにとどまらない。このように官や学、とくに日本においては政府によるオープンソースへの取り組みが昨今盛んである。連載最終回の本稿では、そうした政府主導によるオープンソース活動の中からいくつか取り上げて論じたい。 ■捲土重来の切り札 IT(情報技術)市場が米国の企業によって寡占されていることは否定しがたい事実である。ITはいまや国家のインフラをなしているのだから、これは国家の生殺与奪を他国に握られているに等しい。 国はその危険を認識し、情報技術における主導権を取り返そうという試みをこれまで何度も繰り返してきた。ところが、そのすべてはことごとく失敗に終わってきた。 そんな悲観的な状況に登場したのがオープンソースソフトウエア(OSS)である。OSSは捲土重来の切り札なのだ。OSSがこれまでと違うのは、その優秀性がすでに世界で認められ、少なくない実績をすでに築いてきている点である。純国産へのこだわりを捨てたところにあった、より現実的な選択肢がOSSだとも言える。 政府は2000年ごろからOSSへの取り組みを加速している。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が00年に開始した「未踏ソフトウェア創造事業」は、民間の個人による創造的・先進的なソフトウエアプロジェクトを公募し、IPAの予算をつけて開発を支援するもので、名称にこそ「オープンソース」と名乗ってはいないながら日本語入力ソフトの「anthy」をはじめ優れたオープンソースプロジェクトがいくつも輩出しており、評価すべき成果をあげている。 IPAはまた、03年からは「オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」なる事業を開始した。こちらは法人からテーマに沿ったオープンソースプロジェクトを公募し、優秀なものの開発を支援している。 そして以上のようなOSSへの取り組みを集約し、06年に開設されたのがIPAの「オープンソースソフトウェア・センター」だった。その活動成果のうち一般にもすぐに役立ちそうなのが、OSSに関する情報を集約したサイト「OSS iPedia」である。 同サイトの「導入事例」では、日本の主要ベンダーによる実際のOSSシステム構築事例を、業種や業務内容、システム構成などの詳細な条件指定により検索することができる。実例・先例を重んじ、新しいチャレンジに二の足を踏みがちな日本の顧客に対し有効な説得材料になるのではないだろうか。それにしてもこれだけ広範な導入例を集められるのは、公共性・中立性をもつ政府機関ならではだろう。 公共性・中立性といえば、同サイトの「性能評価」もその賜物といえる。「性能評価」では、経産省の音頭で組織されIPAが事務局を務める業界団体「日本OSS推進フォーラム」の技術部会による性能評価プロジェクトの結果が整理されている。 性能評価データというとベンダーの手前味噌のようなものも世間には多いが、ここにおけるデータは評価手順までがオープンにされているため、きわめて公正である。評価する側の勧進元が政府機関だからというばかりではなく、このように評価のプロセスまで包み隠さず公開されることが OSSの「オープン」たる所以なのだ。そういう観点からも「OSS iPedia」の提供する情報は興味深いものといえる。 ■学校や自治体で実証実験 もうひとつIPAの活動として触れておきたいのが、OSSデスクトップ導入実証実験である。2004年は学校、2005年は自治体を対象に、WindowsパソコンをOSSの「リナックス」 に置き換えるとどこまで実用に堪えるかを実地検証した。 観念論やセールストークでなく、現場でOSSの利点や限界を明らかにするこの試みこそ、政府機関がやる意味のあるプロジェクトではないだろうか。学校現場へのOSS導入は経産省と財団法人コンピュータ教育開発センター (CEC) による「Open School Platform(OSP)」事業へと展開しており、ひきつづき注目したい。 「OSSiPedia」にしろ実証実験にしろ、実働部隊は先にも触れた業界団体「日本OSS推進フォーラム」である。IPAを後ろ盾とし日本を代表するITベンダーが結集する同フォーラムは、「サーバー部会」「デスクトップ部会」「人材育成部会」の分科会にわかれて活動しており、iPediaはサーバー部会の、実証実験はデスクトップ部会のそれぞれ大きな成果である。 ■アジアで連携 同フォーラムの活動でさらに注目すべきなのは、「中国OSS推進連盟」「韓国OSS 推進フォーラム」と共同で構成する「北東アジアOSS推進フォーラム」である。 日中韓3国共同によるOSSへの取り組みであり、フェイス・トゥー・フェイスの会議が各国持ち回りで開催されている。ちなみに次回は9月にソウルで行われる。 フォーラムでは技術情報の交換や導入事例の報告、ビジネスモデルに関する議論などを行っているが、国情の違いを乗り越え歩調を合わせることは決して容易ではない。それでも04年の活動開始からこれまでにOSSという共通の価値を通じて3国の技術者たちが理解を深め合って来られたのは確かなことだといえる。 IPA関連の活動の紹介だけでここまでかなりの分量を費してしまったが、OSSに取り組む政府機関は他にもある。 とくに取り上げておきたいのは財団法人国際情報化協力センター(CICC) である。経産省の外郭団体として「発展途上国の情報化を支援する」この組織は、アジア地域におけるIT振興の武器としてOSSを活用している。 アジア各国におけるOSSの価値は、日本とはいろいろな意味で比較にならないほど高い。とりわけ重要なのは著作権の問題で、海賊版ソフトウエアがもたらす利益逸失が国家経済に対する現実的脅威になっているのである。その対策としてのOSSは国家的戦略の中に小さくない比重で位置づけられている。CICCはアジア各国で「アジアOSSシンポジウム」を開催、日本を始めとする参加国間でOSS に関する情報交換を促進している。 06年2月の第8回アジアOSSシンポジウムはインドネシアのバリ島で開催され、OSS普及に対する各国の協調を謳うバリ宣言の採択などが行われた。CICCは他にも、OSSビジネスによる日本へのアジア企業誘致のためのイベントやセミナーなども開催しており、地味ながら有意義な活動を展開中である。 中央のばかりでなく、地方自治体レベルでもOSSへの取り組みがある。代表的なのは長崎県が電子県庁システムをオープンソースとして公開した動きだ。 ■OSSがベンダー囲い込みを回避 長崎県は、システムを小さく分割、県自身で詳細仕様を詰めてから業者に発注することで、受注業者の負担を軽くし地元業者の参入ハードルを下げて地元IT産業の活性化を行う「ながさきITモデル」を打ち出している。同モデルの重要なポイントが、オープンソースの活用である。 OSSにすることで特定業者による囲い込み――ソースを非公開にして他の企業には保守できないようにする――を回避する競争原理を導入できた。他にも既存公開技術を活用することによって開発工期を短縮し、システム開発経費の半減を目指している。 また成果物がオープンソースとして公開されることで県内市町村のシステムとしても使用可能になり、市町村の開発経費削減も見込める。このような新機軸が地方から出てくることは、OSSの浸透度を測る尺度としてきわめて興味深い。 市町村レベルの取り組みで有名なのは栃木県二宮町である。前述のデスクトップ実証実験にいちはやく立候補し、実験後もなお職員のデスクトップにOSSの活用を続けるなど、OSSへの積極姿勢にかけては全国でも際立った存在感を示している。単なるコスト削減を超えてOSSへ傾けるその情熱にあらためて敬意を表し、同町がOSSの採用普及について全国自治体のロールモデルになってくれることを期待する。 ■結局は民間で盛り上げるべき ここまで日本の政府機関の OSS に関する活動をいくつか紹介した。しかしあえて避けた本質的議論がある。政府のOSSへの取り組みははたして全面的にいいことか、という点である。 冒頭で触れたような、過去におかしてきた情報通信産業振興の失敗は果たしてきちんと反省されているのか。また、OSSの本場が米国であることは、好むと好まざるとにかかわらず事実であり、米国のOSSコミュニティーは政府組織による関与を「干渉」「介入」ととらえがちで、嫌う。それがコミュニティーの自由で自発的活動に依存するOSSの側面でもある。 「お上」によるリードがアジア的に有効なアプローチなのはCICCの活動においても実証されているが、それはOSSが本来持つダイナミズムと矛盾しないだろうか。政府の取り組みを批判しているのではない。立ち上がり時期では仕方がないかもしれないが、やはり政府の支援を必要としないくらいに民間の努力でOSSを盛り上げていくべきではないか。自戒をこめてそう考えている。(終) ※参考サイト IPA: http://www.ipa.go.jp/ 未踏ソフトウェア創造事業: http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/ オープンソースソフトウェア・センター: http://www.ipa.go.jp/software/open/ossc/ OSS iPedia: http://ossipedia.ipa.go.jp/ 日本 OSS 推進フォーラム: http://www.ipa.go.jp/software/open/forum/ CICC: http://www.cicc.or.jp/japanese/ 長崎県電子県庁システム オープンソース: http://osvfn.com/ [2007年7月9日] 国・自治体で進むOSS普及活動の本質・オープンソース超入門(5) |
2007/07/21 (4:52 pm)
オープンソースソフトウエア(OSS)に関する連載の4回目。今回はOSSの国内産業での導入事例を紹介する。デジタル家電や携帯電話の組み込みソフト分野、医療向けのシステムなど生活で接する分野での導入も増えている。目に見ることはできないが、裏側をOSSが支えているのだ。 ■情報家電の基本ソフトで採用が進むリナックス まずは、携帯電話とデジタル家電というもっとも身近な例から取り上げよう。 携帯電話ではNECとパナソニックモバイルコミュニケーションズが携帯電話用の基本ソフト(OS)にリナックスを採用している。携帯電話向けに特化したリナックスである「Mobilinux Open Framework」を搭載して製品化している。(リナックス搭載製品は、MobilinuxのWebサイトで確認できる、 http://www.jp.mobilinux.com/about/phones.html )。 デジタル家電では人気の薄型テレビの多くにもリナックスが採用されているという。特に、松下電器産業は、デジタル家電向けソフトの統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」の標準OSとしてリナックスを採用しており、このプラットフォームを採用しているほとんどのデジタル家電でリナックスが稼働しているということになる。 家庭用ゲーム機では、ソニーが「プレイステーション3(PS3)」にリナックスを導入するための文書を積極的に公開している。この文書に基づいて開発されたPS3用リナックスも登場している。ソニーは、PS3の持つ高い処理能力を活用してもらうため、こうしたオープン路線を採用している。 このように情報家電のOSには、リナックスが幅広く採用されている。この動きが目立ち始めたのはここ数年だが、そのための活動は2003年頃から始まっている。特に、家電向けOSのコンソーシアムである「CELinuxフォーラム」( http://www.celinuxforum.org/ )では、ソニーと松下が積極的に活動を続けている。 ■インターネットでは当たり前 インターネットで利用できるサービスでは、OSSがかなり普及している。例えば、中小規模のウェブサイトで数多く採用されているのは「LAMP」と呼ばれる組み合わせだ。OSにリナックス(Linux)、ウェブページを表示するためのソフトに「Apache」、データベース管理ソフトに「MySQL」、ウェブサイトでプログラムを実行するための言語に「Perl」(もしくは「PHP」か「Python」)を使うもので、頭文字を取ってLAMPと呼ばれる。具体例では、野村不動産アーバンネットが運営する不動産情報サイト「ノムコム( http://www.nomu.com/ )」は、このLAMPで構成されたウェブサイトとなっている。 ちなみに、前述したApacheは世界の半数以上のウェブサイトで稼働しており、トップシェアだ。イギリスのネット調査企業であるNetCraftは、2007年6月のApacheのシェアを53.76%と発表した( http://news.netcraft.com/archives/web_server_survey.html )。 ■日本医師会主導で進むOSS採用 これまで紹介してきた業種とだいぶ毛色が変わるのだが、実は国内の医療ビジネスの現場でも、オープンソースは着実にその足場を固めつつある。 医療現場の事務処理で欠かせないものに、診療報酬明細書(レセプト)がある。これは、医療機関が「公的医療保険の運営者」つまり医療保険の請求先に、どのような診療を行い、薬を処方したかを報告する書類である。この診療報酬明細を元に、医療費が算出されて保険料が支給される。 日本医師会は診療報酬明細作成ソフト(レセコンと呼ばれる)を開発し、これを日医標準レセコンとしてオープンソースで公開している( http://www.jma-receipt.jp/index.html )。6月時点で4000以上の医療機関で導入されているという。 オープンソースであるためライセンス費用はかからない。特定の企業に縛られることなく、多くの企業が導入や運営のサポートをすることが可能になっている。なお、この日医標準レセコンは、リナックス上で動作する。 日本医師会は医療の世界の元締め的存在であり、医療現場で欠かせないレセコンを共有資産となるオープンソースとして開発・公開していることは、医療事務の電子化・効率化を進めるうえで極めて意義のある活動と言えるだろう。 一部導入も含めてOSSの導入が進んでいるのは、公共関連のシステムだ。それに比べると大規模システムではまだ、それほど普及していない。ただし、三菱東京UFJ銀行がシステム構築に「Seasar2」というオープンソースの開発フレームワークを採用するなど、取り組みは着実に増えている。 前回も指摘したが、OSSには誤解される部分も多い。更なる普及のためには著作権の問題など正しい知識を持ってもらうように、努力していかなくてはならない。 [2007年7月2日] あの家電でも使われている・オープンソース超入門(4) |


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